TOEIC700点のエンジニアの価値は?転職で有利になるのか?

私はこれまでに、全く英語を使わない日本企業、英語を使う日本企業、英語を使う外資系企業でエンジニアとして働いてきました。

最初に入った日本企業で無理やり受けさせられたTOEICは200点代、そして英語の勉強を重ねて今は900点。毎日海外オフィスと英語でやりとりしています。

そんな私の経験から、TOEIC700点時代に、
・どれくらいの英語力だったか?
・英語でどんな仕事が出来ていたのか?
を振り返り、TOEIC700点はどれくらい価値があるのか?仕事で活躍できるのか?について『TOEIC700点×エンジニア』という観点でお伝えします。

また私のこれまで4回の転職経験から、TOEIC700点が有利に働くかどうかも考えてみたいと思います。

なお、念のためお伝えしておくと、本記事はTOEICのリーディング&リスニングテストに関しての記事であり、スピーキングの記事でありません。ただし、スピーキングも内容としては扱っています。

TOEIC700点の英語力は一般的にどれくらい?

TOEIC700点レベルを数字で考えてみると・・・

TOEIC700点は、TOEICの公開テストでも上位35%位に位置しています。TOEICの公開テストは、自分から望んで申し込んで受験するものです。

つまり、英語をまじめに勉強している中での上位35%となります。上位35%は、偏差値で言うと54~55くらいになります。(正規分布であれば)

この偏差値だと一流大学には入れないのと同じように、英語学習者の中で飛びぬけた存在ではありません。

とはいえ、平均よりはだいぶ上ですし、それなりに真面目に勉強してきたからこそとれる得点だと思います。

英語に興味のない人も混ぜた日本人全体の中で考えれば、かなり英語のデキル部類に入りますし、十分誇って良い得点だと思います。

一般的にTOEIC700点の実際の実力は・・・?


TOEIC700点は、十分に誇って良いと言いましたが、TOEIC700点でも、実際のところ本当の意味での英語力は、人によって全然違います。

例えば、TOEIC700点でも、全く英語を話せない人は多いでしょうし、英語で文章を書くのにかなりの時間を要するという方も多いはずです。TOEICスコア(Reading & Listening)とスピーキング・ライティング能力は別物ですからね。

スピーキング・ライティング能力を伸ばすためには、それらの能力を伸ばす事に特化した勉強が必要です。

ただし、TOEIC700点あれば、英語を話すための基礎的な知識は十分ありますので、ひとたび英語を話す勉強を始めれば、話せるようになるまでの時間は割とスグだと思います。

例えば、以下の記事では、最短で英語が話せるようになる勉強法と、何故この方法が効果があるかを説明しています。

では、TOEIC700でスピーキングができる人は、どれくらい英語を話せるのでしょうか?

これもその人次第としか言いようがありません。

例えば、英単語や文法等同じくらいの知識を持った二人がいた場合、その知識をどれくらい使いこなせるかは、その人の英会話経験頭の回転の速さによります。

経験を重ねれば、よりスムーズに話せるようになるでしょうし、頭の回転が速ければ、頭の回転が遅い人より、効率的に知識を有効利用できてスムーズに英語が話せます。

私は、特に自分が『頭の回転が遅い』と感じていたので、この部分を改善する脳トレをして効果を感じる事ができました。これに関して以下のリンク先の記事で方法をシェアしています。よろしければ参考にしてみてください。
頭の回転を速くする0秒思考!やり方をわかりやすく解説!スマホでも可能!
頭の回転が遅い人でも、速くする方法はある!私の悩みを解消した3つの方法!

その人次第と言いましたが、TOEIC700レベルの英語の知識があって、その知識を最大限に有効活用できる英会話経験と頭の回転の速さがあれば、自分の言いたい事を瞬間的にほぼ伝えられるとは思います(私のかつての上司がそうでした)。ただ、そんな人は少ないですし、いてもとてもシンプルな言い回ししか使えないと思います。

また、一般的にはリスニングの方が得点が高いという傾向があり、リーディングに関してはまだ不得意な方も多いと思います。

この場合、英語の文章を理解するスピードが遅くて、仕事上スピードを求められるような場合、実用に耐えうる英語力とはまだ言えない可能性が高いです。

ただ、TOEIC700点あれば、ある程度時間をかけて、大体どんな英文でも内容を把握する事が可能です。ただ辞書は必要ですね。

一般的にはそこそこ英語力が高いとみられるTOEIC700ですが、実際のところ以下のような感じでしょうか?

・スピーキング(英会話)が全くできない人も多い。一方で英会話経験を積んでスラスラ話せている人もいる。
・英語でコミュニケーションをスムーズにとるための知識自体は持っている。
・まだまだ英文の理解に時間がかかるため、スピードを求められる仕事はできない人が多い。
・スピードを求められなけば、なんとか英語を使う仕事もできる。

私自身のTOEIC700点時代の英語力を振り返る

私がTOEIC700点の時は、英語を仕事で使う日本企業でソフトウェアエンジニア(プログラマー)として働いていました。その時の英語スキルをエンジニア目線で説明すると下記のような感じでした。

リーディング

英語で書かれた会社の資料や、技術文書を読む事はできるがスピードが遅い。文章の概要は理解できても、詳細が理解できない事が多々あり、辞書を引く回数がまだまだ多かった。

TOEIC600時代と比べれば、文章の概要把握はより簡単にできるようになったと感じる。

海外の技術者とのメールのやりとりでは、相手も難しい英単語や言い回しを使う事はほとんどなく、辞書なしでもメール内容の理解は可能だった。

リスニング

スピードが速いとそもそも理解できないのはTOEIC600時代からさほどかわらず。少し良くなったな程度。結局、相手にゆっくり話してもらう事が多かった。

スピードが遅くても、一カ所聞き取れなかったり、理解できなかった部分があると、そこに気をとられて、それ以後一気にわからなくなることが多い。ここまではTOEIC600時代とあまり変わらず。

しかし、TOEIC700くらいだと、わからない部分をすぐに確認するような質問ができて、英語でのコミュニケーション自体は多少の問題はあるがなんとかできるようになった。

それでも、細かい込み入った話になると、何回も説明を聞き直す必要があり、理解にかなりの時間を要するのはTOEIC600の時とあまり変わらない。

ライティング

きちんとした間違いの少ない英語の文章を作れるので、メールでの意思疎通はそんなに問題ない。

ただし、問題なのは、英語の中身というより、海外の相手との文化の違い。例えば、品質や〆切を守る事の重要性をしっかりと訴えているつもりでも、私がやりとりしていた海外の同僚(インドオフィスにいるインド人)には、その重要性を理解してもらえなかった。

なにかと理由をつけて〆切を守らなかったり、品質の悪いアウトプットが多かった。相手は日本人と同じ感覚を持っていないので注意が必要という事を改めて気づかされた。

TOEIC600時代は、英語のコミュニケーションに集中していたためか、こういった海外の相手の文化的違いまで考慮できていなかった。

ある程度余裕をもって英語でのコミュニケーションを取れるようになったため、純粋な英語のコミュニケーション以外の部分も考慮できるようになったのだと思う。

スピーキング

会話はなんとか意志の疎通はできるが、スピード感はない。ゆっくりと時間をかければ、言いたい事の70%くらいは伝えられるという感じ。しかし、細かいニュアンスは伝えられない。

毎日のルーチンワークで使うような言い回しは、ある種定型文みたいな形で覚えてしまっているので、このような慣れた英単語、慣れた言い回しを使う状況であれば、速いスピードでも対応できる。

英語の会議では、まだリスニングもスピーキングもどちらも厳しい。何回も聞き返したり、聞き返されたり、迷惑をかけるような事が多い。

とはいえ、英語話者にかなり気にかけてもらって、ゆっくり話してもらえれば会議についていく事は可能だった。

仕事で英語をどれくらい活用できたか?


これまでの説明で、TOEIC700は、仕事で使うにはまだまだという印象を受けたかもしれませんね。

ではTOEIC700点で、私自身がどれくらい英語を仕事で活用できていたかと言いますと、実のところ私の周りで英語が出来る人が少なかったため、かなり活用しましたし重宝されました。

具体的には、

・海外のエンジニアに要求仕様や設計を英語で説明してプログラムを作ってもらったり
・英語の技術情報を読んでそれを同僚に日本語で伝えたり
・技術的問題でつまづいた時に、英語のQ&Aサイトを見たり(英語で)質問したりして解決したり

という感じです。

実際に仕事で英語を使わせてもらう事で、さらに自分の英語力をアップさせる事ができたと思っています。

あなたがTOEIC700レベルであれば、英語でできる仕事を考えてみて、それを実践してみた方が絶対良いです!

私と同じように英語を仕事で使う事ができて、英語力のアップ、そして年収アップにつながる可能性はおおいにあり得えますよ!

『TOEIC700点×エンジニア』の価値とは?

まずはエンジニアとしての価値を考えよう

まず最初に、英語力以前にエンジニアとしての能力が重要だという事はお伝えしなくてはいけません。エンジニアとしての能力が低いから、付加価値として英語力をつけたいという考え方は少し危険かもしれません。

それだと、どちらも中途半端になってしまう可能性もあります。最低限、エンジニアとして人並みのスキルを持っている上で、英語力をつけるのが妥当だと思います。

では、これまでの話を踏まえた上で、TOEIC700点のエンジニアの価値とはいかほどでしょうか?

あなたの環境によって価値は変わる

何でも言える事だと思いますが、あなたの置かれた環境によって価値は変わってきます。

あなたが、優秀なエンジニアが多く在籍する大手企業や外資系企業で働いているのであれば、TOEIC700点以上のエンジニアはゴロゴロいるはずです。

そんな環境ですと、あなたは、そんな人たちの一人に過ぎませんので、その企業内での価値はそんなに高くならないと思われます。とはいえその企業にいるだけで価値が高くて年収も良い可能性が高いですが・・・。

逆に言えば、小さい会社や、ごく平凡な日本企業であれば、TOEIC700点以上を持つエンジニアは少ないですし、希少性があれば価値が高まるのは何でも同じです。

つまり、英語を使う必要性のある一般的な日本企業だったり中小企業であれば、TOEIC700点を持つエンジニアの価値は高くなると言えるかもしれません。

英語を仕事で活かせなければ価値はない

どのような環境に身を置いているにせよ、そもそも英語力を実際の仕事に活かせていなければなんの価値もありません。

TOEIC700点は、英語で仕事を進める上での知識はあると思います。

しかし、知識が頭の中にあるだけでは使い物になりません。知識を仕事で使いこなせなければ価値がありません。

さらに言えば、知識をスムーズに、瞬間的に仕事で使いこなせなければ価値が高まりません。

英語の知識をスムーズに仕事で使いこなせるようになるためには、
・実際に仕事で英語を使って経験を積むこと。
・英会話能力(アウトプット能力)を高める事。
が必要です。

つまり、TOEIC700点持っている事が、英語で仕事ができる証明にはなりません。

TOEIC700点の知識を持っているだけであれば、仕事で英語を使うためのスタートラインに立てただけです。

この場合、積極的に英語を仕事で使って経験を積み、価値を徐々に高めていきましょう。仕事で英語を使う経験を積み重ねて行くと、TOEIC700レベルの英語運用能力が高まっていきます。

この英語運用能力があって、はじめて価値が生まれると言ってよいと思います。

つまり、『TOEIC700点×エンジニア』では価値があまりなくて、『TOEIC700点×英語運用能力×エンジニア』で価値が生まれます。

ここで何が言いたいかをまとめると、

・TOEIC700点というスコアは、仕事で英語を使うための知識がある証明にはなる
・その知識を仕事へ活かす運用能力を高める事で価値につながる
・運用能力次第で、価値が変わってくる。

となります。

私がどのように英語運用能力を高めてきたかは以下の記事を参考にしてみて下さい。
プログラマーが英語ができると有利になる3つの理由!
プログラマーのためのオススメ英語勉強法!社内で一目置かれる存在になるために!

また、英語の運用能力を高める為には、実際に英語を大量に話す必要があります。今の時代、いろんなオンライン英会話があります。まずは、以下のリンク内に記載されているような格安オンライン英会話を続ける事で、運用能力を高める事も可能です。

【月額858円から】オンライン英会話の最安ランキング!月額比較でコスパ最高のサービスを見つけ出そう!

TOEIC700点は転職で有利になるか?


仕事上英語を使う必要のある企業に転職した場合、TOEIC700点は有利になるでしょうか?

一部のハイレベルな企業では転職の際に高い英語力を求められるところもあります。ですが、全体的には、英語を使う仕事であったとしても、最低限求められる英語のスキルは実はそんなに高くない事が多いです。ただし、これは転職時点での話ですが...。

何故なら、当たり前ですが、エンジニアとして一番重要視されるのは、英語力ではなく、エンジニアとしての能力・経験だからです。さらに、英語ができるエンジニアの数がそもそも少ないという事情も影響しているのでしょう。

英語力が必要な会社に転職する際でも、エンジニアとしての能力がしっかりあれば、英語力はTOEIC500点くらいでも入社できるケースが大半だと思います。

現に、私が以前在籍していた外資系企業では、TOEIC500点未満で入社していたエンジニアも結構いました。入社してからだいぶ苦労していたようですが...。

そういう意味では、エンジニアとして人並みの能力があれば、TOEIC700点を持つだけでも十分優位に立て、転職でも有利に働くように思います。

ただ一部の本当に英語を良く使う企業では、エンジニアであっても、転職面接の際に、英語の試験や、英語でのプレゼンを求められる事もありますのでご注意を。

あとは、何度も言っていますが、転職できたとしても、その英語力をどのように仕事に活かすかが重要である事は忘れないようにしてください。

まとめ

TOEIC700点のエンジニアの価値についてお話してきましたが、軽くまとめると以下のような感じですね。

・そもそも英語力より『エンジニア』としての知識・経験が一番大事。
・『TOEIC700点』は英語で仕事を進めるための知識自体はある。
・『TOEIC700点』の知識があるだけでは役に立たず価値がない。
・『TOEIC700点』の知識を仕事で使ったり、英会話の勉強をしたりして『英語運用能力』を高める必要がある。
・価値を生み出すためには『TOEIC700×英語運用能力×エンジニア』の3つが必要。

『TOEIC700 = こんな英語力!』とビシッと言えれば良かったのですが、実際はそんな簡単に言える事ではないと分かったと思います。

TOEIC700点レベルの知識があって、その知識の運用能力がどれくらいあるかによって、実用的な英語力が変わってくるという事でした。

本記事が、英語の運用能力を鍛えて、価値の高いエンジニアを目指すきっかけとなりましたらとても嬉しいです。

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