瞬間英作文で英語を話せるようになった人、ならなかった人の違いとは?

僕自身「瞬間英作文で英語を話せるようになった」のですが、一方で「瞬間英作文で英語を話せるようにならない」という否定派の方がいるのも知っています。

これから英語を話せるようになりたいと思っている方は「実際はどうなの?瞬間英作文で話せるようになるの?ならないの?」という答えを知りたくてこの記事を読んでいる方も多いでしょう。だから、いきなり最初に答えるとすると、

瞬間英作文を正しい手順で実践すれば、自分の思った事がスラスラ英語で話せるようになる

が僕の答えとなります。

「なぜ話せるようになるのか?」「なぜ話せるようにならない人がいるのか?」について、このブログなりのスタイル「脳科学x英語」というアプローチで説明したいと思います。脳科学といっても、難しい言葉は使いません。誰でもわかる言葉でわかりやすく表現しているので大丈夫です。

なお、この記事の内容は筆者ナナセ(TOEIC900・大手外資系企業プログラマー)自身の経験、十数人に瞬間英作文を教えた経験、それと一般的な脳科学に基づいて書かせていただきました。

瞬間英作文で英語がスラスラ話せるようになる過程について

瞬間英作文とは、日本語の文章を見て、即座に英語の文章に変換して声に出すトレーニングです。(ちなみに、通勤電車で声が出せなくても、唇だけ動かすでも記憶力は高まります)

最終的には「頭で思い描いたことが自動的に英語で表現できるようになる」ことを狙ったトレーニングとなります。言い方を変えると「どんな文章でも日本語⇒英語の変換をほぼ自動的にできるようになる」トレーニングです。

「どんな文章でも」というのがポイントです。文章の丸暗記ではこうはなりません。何故なら、瞬間英作文は、かなりザックリと言ってしまえば「日本語⇒英語の変換方法」を丸暗記するトレーニングだからです。

もちろん、いきなりなんでも英語で表現できるようにはなりません。少しずつ上達していくものです。その上達過程とはこんな感じです。

(0) 日本語の文章をみて、英語の文章を全く作れない
(1) 簡単な日本語の文章をみて、時間がかかるが英語の文章を作れる(1000文~2000文実践後)
(2) どんな日本語の文章をみても、時間がかかるが英語の文章を作れる(2000~5000文実践後)
(3) どんな日本語の文章をみても、一瞬で英語の文章を作れる(5000文~)

このような過程を経て、なんでもスラスラ話せるようになっていきます。

なぜ瞬間英作文で英語が話せるようになるのか?

なぜ英語が話せるようになるのか?それは、さきほども少し触れましたが、「日本語⇒英語の変換方法」を暗記してしまうからです。

日本語の文章をみたら、それをどのように英語に変換したらよいかが無意識的に、自動的にわかるようになり、英語の文章がポンっと出てくるようになります。もちろん、日本語に対応する英単語は知っている必要がありますが、それは瞬間英作文とは別で覚えなくちゃいけない事です。

では、なぜそんなことができるようになるのか?それは、以下の手順で瞬間英作文を実践するからです。逆に言うと、このように実践しないと、いくら瞬間英作文っぽいことをしても話せるようにはなりませんので注意が必要です。

大抵の瞬間英作文の教材では、左側に日本文、右側に答えとなる英文が記載されているはずです。その日本文、英文ワンセットの文章に対して、以下の手順を踏みましょう。

英語が話せるようになる瞬間英作文の手順
(a) 日本文をもとに、どのような英文法を使って英文が作られたかを理解する(事前準備)
(b) 日本文をみて、文法・文章の構造を意識しながら英語へ変換して声に出す(日本語⇒英語変換の暗記行為)
(c) 日本文をみて、(b)を意識しつつ、さらに意味をイメージしながら声に出す(英語脳を作りやすくする行為)
(d) 日本文をみて、(b)(c)を意識しつつ、英語音声をカラオケのように真似をする(ネイティブ音声の暗記行為)
(e) 上記(b)(c)(d)をスピードを意識して実践する。日本文を見てから1秒以内に英文を口にし始めるのが目標(英語脳を作りやすくする行為)

これが、確実に英語が話せるように瞬間英作文の手順です。上記で赤く強調した部分が特に大事な部分です。なぜ大事かをひとつずつ説明します。

文法・文章の構造を意識しながら英語変換する事の重要性

「日本語⇒英語の変換が自動的にできるようになる」理由は、(b)で、日本文を見たら、文法・文章の構造を意識しながら英文に変換するからです。何回も繰り返すと、強く意識したものは長期記憶として定着します。長期記憶として定着したものは、ほぼ無意識で利用できるようになるのです。

つまり、ある日本文に対する英語への変換方法として意識した「英文法」が長期記憶に定着すると、同じような日本文を見た瞬間に「この英文法を使って、英単語をこう並べれば良いんだ!」という事が無意識でわかるようになります。

もっと正確に言うと、日本文を見なくても、頭で思い描いた事についても、英語での表現方法が無意識でわかるようになります。

ただし、長期記憶に定着するには、かなり繰り返す必要があります。一つの文章に対して、上記の手順をおそらく50回~100回する事が必要になると思います。一日でこの回数ではなく、ちょうど忘れた頃に日を改めて実践するのが良いです。

また、瞬間英作文として利用する教材は、英文法毎に文章がまとめられたものを選んだ方が良いです。なぜなら、全ての英文法に関する文章を網羅したいとうのが理由の一つ。あと、一つの英文法に関して最低限10文ずつ位は瞬間英作文をやった方がよいからです。そうする事で、その英文法に関する記憶をより強固なものにできるからです。

英文法毎に、瞬間英作文を実施していくのが良いので、英語初心者の方にとっては、英文法の勉強も同時にできて一石二鳥かもしれません。

意味をイメージしながら瞬間英作文する事の重要性

意味をイメージするとは、自分がまさにその文章を言う人の気分になって、その状況をイメージしながら声に出す事です。この部分は軽視できません。

何故なら、人間の脳は、いろんな感覚や感情を合わせて記憶すると、記憶に定着しやすく、さらに、忘れにくくなるからです。つまり、五感(視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚)をフルに使って、感情もむき出しにしながら瞬間英作文をするのが良いという事になります。

が、もちろん、瞬間英作文最中にできる事、できない事があります。最低限、状況のイメージは忘れないようにして、感情を伴って英文を口に出すようにしましょう。

スピードを意識することの重要性

瞬間英作文を実践する際、最終的に、日本文を見たら、1秒以内に英語を話し始められるようにするのが目標です。

日本語⇒英語変換に時間をかけていては、英会話が成立しないから、スピードを意識するのは、まあ当たり前の事ですよね。

正直な話、長期記憶に定着してしまえば、無意識で即座に日本語⇒英語変換できるようにはなります。でも、そうなる前でも、スピードを意識して瞬間英作文を進めるべきです。

よく自己啓発本やビジネス書等で「制限時間を設けよう」みたいなことが書かれているのを見たことがありませんか?これは人間の脳の性質を利用したものです。制限時間や、スピードを意識したりすると、脳が通常より活発に動くようになるのです。

とはいえ、最初は即座に英語変換できるものではありません。ましてや、英文法や状況のイメージしながらだと、めちゃくちゃ時間がかかるかもしれません。瞬間英作文は何十回と繰り返しやる必要があるので、最初は遅くても、徐々にスピードを上げて行けば良いと思います。

繰り返す事の重要性

また、すでに述べていますが、瞬間英作文を繰り返し実践するのは必須です。この繰り返しは「日本語⇒英語変換処理」を長期記憶に定着させるためです。長期記憶に定着する事で「日本語⇒英語変換処理」がほぼ自動化されるという事です。つまり、これはある意味英語脳になったと言えます(その文章に関してだけですし、厳密な意味では違うかもしれませんが...)。

ですので、最低限、日本文を見たら1秒以内に変換した英文を口に出せるくらいになるまでは繰り返しましょう。

なお、長期記憶に定着するのは、実践した瞬間英作文の言い回しについてのみです。だから、実践した瞬間英作文の数が少なければ、英会話が出来るほどのスピーキング力にはなりません。

実践した瞬間英作文の数が増えれば増えるほど、瞬間的に英語に変換できる言い回しが増えていきます。大体5000~6000文位の瞬間英作文を実践したあたりから、自分の思った事は大体なんでも表現できるレベルになるのではと思います。

瞬間英作文で英語が話せるようにならない人について

ここで、一度おさらいしますと、瞬間英作文とは「どんな文章でも日本語⇒英語の変換をほぼ自動的にできるようになる」トレーニングです。

これが出来るようになる方法が、上記であげた手順です。特に、上記で赤文字で強調された部分(b)(c)(e)が重要で、この手順を一つの文章に対して50回~100回繰り返すのは必須です。

例えば、こんな感じで瞬間英作文を実施していませんでしたか?

・英文法や、文章の構造、状況のイメージなどなにもせずに英作文をしていた
・繰り返しの回数は50回未満だった

これでは、「日本語⇒英語変換の方法」が長期記憶に定着しない可能性が高いです。つまり、英語がはなせるようになりません。

 

瞬間英作文は、正直、教材の日本語の文章が古くさかったり、面白くなかったり、そもそもこのトレーニング自体が単調になりがちだったり。人によっては続けるのが苦痛かもしれません。

ですが、瞬間英作文は、自分の思った事が英語で表現できるようになる一番効率的なトレーニングだと思いますので、ぜひ実践して欲しいと思います。

僕からのオススメとしては、英語を話すためのトレーニングとして、メインは瞬間英作文を続けて、オンライン英会話で、週1~2回程度外国人と話してモチベーションを維持するのが良いと思います。

瞬間英作文のデメリットは?

何回も述べましたが、瞬間英作文とは「どんな文章でも日本語⇒英語の変換をほぼ自動的にできるようになる」トレーニングです。

瞬間英作文の効果で、「日本語⇒英語変換の自動化」されますが、正直なところ、使う教材にもよりますが、変換後に表現される英語が不自然になる事も多いです。

これは、日本語を直訳する形で、英語変換するので、ある程度避けられない問題だと思います。

英語を英語のまま勉強できれば、こういう事は起きないでしょう。ですが、普通の日本人の大人であれば、日本語を介して、英文法を使って英語変換するのが一番時間がかからず効率的な方法なので、仕方ないと思います。

なので、不自然な英語になりがちというのは、デメリットというか、日本人の大人の学習者であれば避けては通れない道かなとも思います。

で、こうなった場合二つの道があります。ひとつは気にしない(笑)。正直、英語は世界語なので、意味さえ通じれば問題ないと思います。僕自身、仕事ではネイティブよりノンネイティブの外国人と話す割合の方が多いので、自然ではないけど意味の通じる英語のシャワーを浴びているうちに気にならなくなりました。

もうひとつは、ネイティブのような自然な表現を身に着けるために、ネイティブとの英会話レッスンを受ける事ですね。

これはあなたの目的次第だと思います。僕の考えは前者だったのですが、ネイティブの友達をたくさん作って、日常的に話していたので何が自然で何が不自然なのか、少しずつですがなんとなくわかるようになってきました。

また、瞬間英作文では、自分の思ったことが英語で表現できるようになります。ですが、スピーキングに特化したトレーニングなので、リスニングのスキルはあまり伸びません。それと、英語で表現するための引き出し(言い回し)もそんなに多くストックできません。

つまり、英会話でのコミュニケーションをスムーズに進めたり、言い回しの幅を広げたりするためには、別の学習法もした方が良いと思います。

僕としては、そのための学習方法としては、英語の音読をすすめたいと思います。スピーキングもリスニングもどちらも効果がある学習法はそもそもないと思うので、これもある意味仕方のない問題だと思います。ちなみに、音読は、少しですがスピーキングにも効果はあります。

まとめ

瞬間英作文は、「日本文⇒英文変換の自動化」が出来るようになる事を目的としています。この目的を間違って認識していると、英語を話せるようにならなかったり、瞬間英作文の間違った否定につながったりします。

あらためて、瞬間英作文の効果を得るための手順は以下の通りであり、これを実践しないと、瞬間英作文で英語が話せるようになりません。

英語が話せるようになる瞬間英作文の手順
(a) 日本文をもとに、どのような英文法を使って英文が作られたかを理解する(事前準備)
(b) 日本文をみて、文法・文章の構造を意識しながら英語へ変換して声に出す(日本語⇒英語変換の暗記行為)
(c) 日本文をみて、(1)を意識しつつ、さらに意味をイメージしながら声に出す(英語脳を作りやすくする行為)
(c) 日本文をみて、(1)(2)を意識しつつ、英語音声をカラオケのように真似をする(ネイティブ音声の暗記行為)
(e) 上記(1)(2)(3)をスピードを意識して実践する。日本文を見てから1秒以内に英文を口にし始めるのが目標(英語脳を作りやすくする行為)

ただし、これさえ実践すれば、確実に英語を話せるようになります。ぜひ瞬間英作文をはじめてみましょう!

最後までお読みいただきありがとうございました。

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