【頭が良くなる】ワーキングメモリは大人でもトレーニングで鍛えられる!

脳に関する言葉としてワーキングメモリと呼ばれるものがあります。作業記憶とも呼ばれ、脳の中でかなり重要な役割を果たしています。

人間は、毎日このワーキングメモリを使って、
・ものを考えたり
・計算をしたり
・判断をしたり

しています。

一般的に頭の回転が速い・頭が良いと呼ばれている人達は、
ワーキングメモリが上手く使えているため、そう呼ばれている
事が多いです。

つまり、ワーキングメモリを鍛えれば、頭の回転が速くなって、頭の良い人と呼ばれるのではないでしょうか!

では、どうやってワーキングメモリを鍛えれば良いのでしょうか?
『ワーキングメモリとは何か?』について説明しながら、鍛え方を紹介していきたいと思います。

ワーキングメモリとは何か?

ワーキングメモリは、何かの目的達成のために働く脳内の司令官のような役割を担っており、日常生活の様々な場面で活躍しています。

例えば、次のような場面です。

ワーキングメモリの活躍場面
・情報に優先順位をつける
・気が散るような状況でも、重要な物事に集中する
・物事を素早く考える
・勉強をスムーズに進める
・状況に応じて正しい判断を下す
・モチベーションを維持して、長期的目標を達成する
・切迫した状況でもポジティブでいられる
・スポーツで瞬間的に優れた判断をする

総じて言える事は、何かしらの情報をもとに、何か判断を下すような場面で、ワーキングメモリが使われているという事です。

人間は、常に何かしら物事を考えています。物事を考えるときには、判断や決断がつきまといます。この判断や決断を下すのは、ワーキングメモリです。

つまり、ワーキングメモリの良し悪しで、日常生活や仕事が上手くいくかどうかが決まる。
というのは言い過ぎかもしれませんが、日常生活や仕事に大きな影響を与えていることは間違いないです。

これでワーキングメモリがいかに重要な役割を果たしているかが理解できたのではないでしょうか?

簡単に言うと、ワーキングメモリとは、自分が意識した情報を使ったり、その情報に処理を加えたりして、何かしらの判断・決断を行う機能です。

これだけだと、わかりずらいと思うので、もう少しかみ砕いて説明してみます。ワーキングメモリは脳の中にある作業机と、その前に座っている作業者に例える事ができます。

具体的な脳の内部の動きを説明すると非常に難しくなるので、わかりやすくするために、これ以降、脳内の作業机作業者でワーキングメモリについて説明していきます。

このサイトでは、作業机と作業者がセットでワーキングメモリとします。

多くのウェブサイト、書籍やYoutube等では、ワーキングメモリはよく作業机に例えられて説明されています。

でも、ワーキングメモリはなにか情報を保存するだけの場所ではないのです。その情報に何らかの処理を加えたり、その情報を使って何かしらの判断をする事がワーキングメモリの役割なのです。

つまり、作業者が情報をどこからか持ってきて作業机に置いて、その情報を使って結果を得るところまでがワーキングメモリの一連の流れとなります。

ワーキングメモリ処理の基本的な流れについて


ワーキングメモリの一連の動作は、作業者が情報を作業机に置いて、その情報に何らかの処理を加えて結果を得る事と説明しました。

もう少し詳しく見ていきましょう。まず作業者が扱う情報とは何でしょうか?

ここで言う情報とは、
今あなたが考えている事や、何か考えを進めるために必要な情報です。

例えば、ひとつ簡単な具体例をあげます。

あなたは何かの支払いのために400円ぴったし(100円玉4枚)必要な状況で、買い物にきているとします。
今ちょうどレジにいて、細かいお金400円分をお釣りとしてもらわなくちゃと思います。

ここで、脳内の作業者は以下の情報を作業机に順番に置いていきます。

作業者の処理
(1)400円ぴったし必要という情報  記憶から引き出した情報
(2)買い物の合計金額が1650円という情報  レジからの視覚情報
(3)400円をおつりでもらうために支払う金額の計算式 1650 + 400 作業机の情報から作業者が判断
(4)支払うお金が2050円という情報 作業者が計算した結果の情報

400円分のお釣りをもらおうと思ってから、2050円を支払うまでのワーキングメモリの一連の動作を簡単に説明しましたが、この流れで4つの情報が作業机に置かれている事がわかりますね。

400円のお釣りをもらうという目的を達成するための情報をひとつずつ置いていき、4つ目で目的を達成したことになります。

このようにワーキングメモリとは、何かをしようという目的があった時に、それを達成するために以下の動作を行います。

ワーキングメモリの動作
(A)作業者が、目的達成のために必要な情報を、脳内の(長期)記憶領域から、または今見聞きしているものから得て作業机に置く。
(B)作業者が、作業机に置かれている情報をそのまま使ったり、目的の結果を得やすいように『加工したり』して目的の結果を得る。

なお、(B)で『加工したり』と書きましたが、今回のケースでは、2つの情報を足し算しました。

足し算以外にも、とにかくいろんなケースが考えられます。例えば、2つ以上の情報の優先順位を決めたり、大小を比較したり、一つの情報に関連する別の情報を長期記憶から引き出してきて、それらをひとつにまとめたり。

このように、作業机に置かれている情報に対して、なんらかの処理を加えて結果を得るところまでが、ワーキングメモリの役割となります。

これがワーキングメモリの代表的、かつ重要な役割ですので、この役割に焦点を当ててこのまま説明を続けさせていただきます。

ワーキングメモリの能力は人によって違います

何か一つの決まった思考をするにしても、人によってその速度は変わってきます。いわゆる頭の回転が速いと言われる人は、考える速度が速いです。

それは何故かというと、ワーキングメモリが上手く機能しているというのが理由のひとつ。
つまり、作業机が広くて、作業者の能力が高いからとも言えます。

では、作業机と作業者について、もう少し詳しく見ていきましょう。

作業机について

作業机は、一時的に情報を記憶できる脳内にある机のようなものですね。作業机が広いと、一度に多くの情報を処理できます。

ワーキングメモリが扱える情報の数は、その人の作業机の大きさに依存し、これまでの様々な研究結果から5個~7個
程度と言われています。

上記の買い物の例では、4つ作業机に情報を置きました。作業机の狭い人であれば、もう1つか2つの情報を置くと、何か一つの情報を忘れてしまうかもしれません。

ちょっと情報が多くなると、どうすれば良いかわからなくなるという経験をした方も多いと思いますが、これが原因の一つとなります。

逆に、作業机に一度に置ける情報の数が多ければ多いほど、一度に考えられる事も多くなり、頭の回転が速くなるというわけですね。

また、作業机は一時的に情報を置く場所ですので、どんな情報が置いてあるかを意識しなくなると、その情報は短時間で忘れてしまいます。

作業者について

作業者についても見ていきましょう。作業者の行うことは、多岐にわたっており紹介しきれません。
ですので、ここでは作業者の実施する処理について一部のみ紹介します。

作業者の処理
・長期記憶から必要な情報を取り出して作業机に置く 海馬という脳の部位と連携
・数学的な計算をする 頭頂間溝という脳の部位と連携
・言葉の理解や、話す内容を考えたりする ブローカ野という脳の部位と連携
・まわりの雑音等を遮断して、今しようとしている作業に集中させる 偏桃体という脳の部位と連携

※作業机と、作業者は前頭前野(おでこのすぐ後ろのあたり)という脳の部位にあります。

ここで言いたいのは、作業者は、作業者自身が作業机で処理をすることもありますが、
作業者が脳の他の部位に何らかの処理をお願いすることもある
ということです。

どういう事かというと、お願いした先の脳の部位の能力しだいで、その処理速度が変わってくるという事になります。

つまり、頭の回転が速いと言われている人たちは、
・作業机が広い
・作業者の能力が高い
・作業者がお願いする部位の能力が高い
という、これら3つの能力がバランス良く高い人達と言えるでしょう。

逆に『作業机が狭い』『作業者の脳力が低い』『作業者がお願いする部位の能力が低い』状況であれば、
それらを鍛えたり、状況の改善を試みることで、頭の回転を速くすることができる可能性が高いです。

その方法を早速説明したいところではありますが、まずは、現在のあなたの作業机や作業者の能力をチェックしてみてはどうでしょうか?

今現在の作業机や作業者の能力を知る事は大事ですし、実際に自分の脳を動かしてチェックすることで、『これがワーキングメモリの行っている処理か!』と理解しやすくなると思います。

あなたのワーキングメモリの状態をチェックしてみよう!

下の動画で、あなたのワーキングメモリが今現在どれくらい機能しているか、大体ではありますが判断できます。

このテストのレベル2では、下記の順番でワーキングメモリを使っています。

(1) 動画から得られた視覚情報1(1つ目の単語)を脳内の作業机に置く
(2) 動画から得られた視覚情報2(2つ目の単語)を脳内の作業机に置く
(3) 動画から得られた視覚情報3(3つ目の単語)を脳内の作業机に置く
(4) 作業机にある情報(3つ目の単語)を逆順で回答する
(5) 作業机にある情報(2つ目の単語)を逆順で回答する
(6) 作業机にある情報(1つ目の単語)を逆順で回答する

(1) (2) (3)は、ただ単に表示された情報を記憶するだけなので簡単ですが、
(4) (5) (6)では、情報を作業机に保持し続けながら(=情報を記憶し続けながら)、記憶した単語の文字を反対から答えなくてはいけません。

この時、作業机には3個の情報しかありませんが、記憶した単語に対して『文字を逆から読む』という処理を加えるため、その処理のために作業机をより多く使用してしまうことになります。

仮に、この『文字を逆から読む』処理で情報2個分の作業スペースを使ってしまうとしたら、作業机には5個の情報があるのと同じ状況になりますね。そうなると、元々記憶していた3つの単語をどれか忘れる可能性が高まります。

もちろん、作業机が広ければ(例えば情報を7個置けるくらい広ければ)、3つの単語程度では、忘れる可能性はかなり低くなります。

ちなみに、まさにこの時がワーキングメモリが活き活きと動いている時ですね。この時の脳内の処理がスムーズにいけば『頭の回転が速くなるかも』と実感できるかもしれません。

もしこの動画で、ワーキングメモリの機能があまり高くないとの結果が出たとしても、気を落とさないようにして下さい。
改善する事が可能ですし、そもそもテスト環境やストレス状態でワーキングメモリが機能低下して、結果が悪かった可能性もありますから。

また、結果が良かったとしても、それを維持することも大事です。

なお、このワーキングメモリテストの結果が良くても悪くても、ワーキングメモリを改善する、鍛える、維持するという事に対して有効な手段はいろいろあります。

本記事では、その手段の一つとして、お手軽にできる脳トレを紹介します。
別の手段に関しては別記事で紹介したいと思います。

脳トレでワーキングメモリを鍛えて賢くなろう!


これまでの説明で、
・作業机を広くする
・作業者の能力を高める
・作業者がアクセスする部位の能力を高める
事ができれば、

一度に扱える情報量も増えるし、目的の処理を完了する時間が速くなる。
そうすると、頭の回転が速くなる(≒頭が良くなる)という事がわかったと思います。

ここでは、『作業机を広くする』『作業者の能力を高める』事が期待できる脳トレを4つ紹介します。

これらのトレーニング全てに言える事は、脳のワーキングメモリに負荷をかけて、ワーキングメモリを強くしていくことを狙っています。
筋トレするときに、鍛えたい筋肉に負荷をかけてトレーニングをするのと同じ事ですね。

(1) 数字記憶暗算脳トレ

1つ目は、数字を覚えて、それを全て足し算する簡単な脳トレです。

最初に3桁~7桁位の数字を記憶します。つまり作業机に数字を置きます。次に、作業者が、作業机に置いた数字を全て足し合わせるトレーニングです。

(2) 逆順回答脳トレ

2つ目は、言葉を覚えて、文字を逆から答える脳トレです。
最初に3文字~7文字程度の言葉を記憶します。つまり作業机に言葉を置きます。
次に、作業者が、作業机に置いた言葉の文字を処理して、逆から文字を答えるトレーニングです。

(3) デュアルNバック課題トレーニング

3つ目は、デュアルNバック課題と呼ばれるトレーニングです。

Nの数が大きくなる程難しくなるトレーニングですが、今回はN=2。つまり、デュアル2バック課題トレーニング動画を紹介します。
ワーキングメモリを鍛える効果があるとの研究結果も発表されています。

(4) 0秒思考トレーニング

最後4つ目は、『0秒思考トレーニング』です。
これは、脳トレというと少し違うかもですが、私自身効果が高いと思っていますので、ここでオススメとして紹介させていただきます。

これは、一人で質問を考え、それに対する回答を瞬間的に4~5つ答えていく思考トレーニングのようなものです。
個人的には、日常生活でも仕事でも、様々な場面で状況の改善に役立ちます。

詳細は下記記事をご参照ください。

または、このスマホアプリをダウンロードして、「設定⇒操作マニュアル」をみて、0秒思考をひとまず試してみる。という感じでも良いと思います。

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これらの脳トレをどのように進めていけば良いか?

『脳トレ』を毎日10分、『0秒思考』を毎日10分。これを一か月続けると効果が少しずつ出てくるかと思います。
私自身は、これらを1か月位続けた時に、物事を考えるスピードが少し速くなったように感じました。

具体的には、『脳トレ』を毎日10分に関しては、Youtubeの脳トレ動画で良いと思います。
このブログでは脳トレ系のYoutubeチャンネルを運営していて、ワーキングメモリを鍛える脳トレを多数用意していますので、毎日1つか2つの動画を見て10分程集中すれば良いと思います。

『0秒思考』を毎日10分に関しては、文字通り0秒思考を毎日10分実施するだけで良いです。

また、脳トレは本当に効果があるのか?についても記事がありますので、ご興味のある方はご参照ください。

まとめ

これまでの説明で、ワーキングメモリは何かしら物事の判断・決断を下す際に使われるので、脳内でいかに重要な役割を担っているかが理解できたかと思います。

そんな重要な役割を担っているワーキングメモリは、人によって能力にバラつきがあり、それを鍛えたり、状態を整える事で改善できる事も説明しました。

そして、ワーキングメモリを改善する方法をいくつか提案させていただきました。
その方法全てはこの記事では紹介できておりませんので、上記で紹介した別記事をご参照いただけると嬉しいです。

ワーキングメモリの状態しだいで、頭の回転の速さ、頭の良さ、日常生活に色々な影響がでてきますので、是非、当サイトのオススメするワーキングメモリを鍛える方法・維持する方法を実践いただけたらと思います。

とても長い文章でしたが、お読みいただきありがとうございました。

【参考文献】
脳のワーキングメモリを鍛える! 情報を選ぶ・つなぐ・活用する
一生使える脳 専門医が教える40代からの新健康常識 (PHP新書)
ゼロ秒思考
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