【英語長文】音読のやり方と効果を徹底解説します!

B!

このブログでは、音読が英語の上達に一番効果的だと考えています。ただし、音読と言っても、ただ英語の長文を声に出して読めば良いということではありません。やり方によっては、効果が全くないので、正しいやり方を実践する必要があります。

 

僕自身は、このやり方で、TOEIC200点から900点に上がりましたし、リスニング能力が飛躍的に上がって、アメリカ人の自然な速度で話している英語も大体わかるようになりました。

 

僕の英語力ゼロの知り合いにも、このやり方を紹介して、高い効果を実感しています。この経験から、大学受験やTOEICにもちろん効果がありますし、英会話にも効果を発揮すると、自信を持って言えます。

 

では、実際に効果が出た英語音読のやり方を、なぜ効果が出るかも含めて、具体的に説明させていただきます。とても長文ですので、まずは、【超重要!】と書いてある章を理解した上で、目次なども活用しながら、必要な部分を読んでいただけたらと思います。

英語音読の手順

音読は1セット単位で行う

まずは英語音読の手順を簡単に説明させていただきますね。以下が、1セットの手順となります。これを、1日1セット、日を改めて合計5セット行います。つまり、合計5日かけて、ひとつの文章を終わらせます。(5周するという言い方でも良いかもですね)

音読1セットの手順
手順1:音読する文章の理解
手順2:テキストを見て音声を聞きながら音読(特に発音を意識)
手順3:テキストを見ながら音読
手順4:テキストを見て音声を聞きながら音読
手順5:テキストを見ないで音声を聞きながら音読

詳細は後で説明しますが、まずは簡単に注意事項です。

 

上記、手順3,4,5では、英文の意味・構造を理解しながら音読します。余裕が出てきたら、音読している文章の状況をイメージして、自分がその文章の主人公になったつもりで感情移入して音読します

 

手順2~5では、それぞれ最低3回、多くても10回音読します。つまりこの1セットで、最低でも12回、最高で40回音読する事となります。

 

音読教材は、普通ある程度の長さの文章が1ページにまとまっていると思います。そのまとまっている文章に対して、上記1セットの手順をまず一度実施します。日を改めてまた1セット実施。というように、繰り返し実施します。記憶の定着のためには、繰り返しがとても重要なのです。

 

英文の意味・構造・状況をイメージして繰り返すのがなぜ重要か?それが、まさに音読の効果が発揮される部分だからです。

【超重要!】英文の意味・構造・状況イメージをして繰り返す事の重要性とその効果!

繰り返しや、英文の意味・構造・感情移入して状況をイメージする事の重要性をここでお話しさせてください。僕は以前働いていた会社で、脳の病気の診断装置を開発していた経験から、脳科学の知識がある程度あります。

 

で、脳の仕組み上、繰り返し意識したものは、重要なものと判断され、長期記憶に定着しやすくなります。また、感情を伴った記憶も、長期記憶に定着しやすくなるので、音読の際に状況をイメージするのはとても効果的です。さらに、できるだけ多くの感覚(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)を伴うと、その記憶は忘れにくくなります。

 

長期記憶に定着した情報は、意識さえすれば瞬時に引き出せるようになります。また、普通は長期記憶に定着しても、長い間その情報を引き出していないと、思い出しづらくなりますが、感情や五感を伴った記憶は、そんな状態でも忘れにくく思い出しやすくなります。

 

最後に、1番重要なポイントは、英文の構造(つまり英文法)を意識しながら音読を繰り返すと、その英文構造の解釈の仕方自体が長期記憶に定着するという事。この状態になると、似たような英文構造の文章は、自動的に、瞬間的に意味が分かるようになるのです。

 

ただの英文記憶ではなく、英文解釈の仕方が記憶されるので、解釈が自動化されるという事です。これがいわゆる英語脳の正体と言っても良いかもしれません。

 

つまり、音読が完了した文章に関連する、英文法、言い回し等は、英語脳(の一部)としてずっと記憶に残り続けます。これを、無意識に活用できるようになるのです。で、音読を続ければ英語脳もどんどん大きくなり、どんな英文でも即座に対応できるようになれるのです。

 

このような脳の仕組みを利用したいので、しっかりと声を出して、耳で聞いて、英文構造を意識して、状況をイメージして、繰り返す事がとっても大事になります。これで英語脳になれるのですから、この点を忘れないようにしてもらえたら嬉しいです。

 

音読が完了したと判断する方法は?

手順5が以下のようにできれば、その文章の音読は完了といえるでしょう。

テキストを見ないで教材音声を聞いて、聞いた音声を即座に音読できる(英文の意味・構造・状況のイメージを意識しながら)

言い換えると、教材音声をテキストを見ないでシャドウイングできるのが目標となります(※シャドウイングについては、手順5の記事で詳細を説明します)。

 

合計5セット(5周)するといいましたが、4セット目でこれができれば、もう終了しても良いですし、逆に5セット目でもまだだめだったら、6セット目も必要という事になります。

 

では、2セット(2周)目以降は、いつやればよいでしょうか?

英語音読を実施するスケジュールについて

1セット目~5セット目までのスケジュールは?

毎日のように、同じ文章を音読しても、長期記憶に定着させるためには効率が悪くなります。以下のようにしてみましょう!

 

最初に1セット目を実施した次の日に2セット目、2セット目の1週間後に3セット目、3セット目の2週間後に4セット目、4セット目の1ヶ月後に5セット目というように実施していくことで、効率よく記憶していけることでしょう。

 

これは、いわゆるエビングハウスの忘却曲線に基づいて繰り返しの日程を決めています。細かい話は省きますが、脳の仕組み上、何かの情報を忘れる頃に、もう一度、その情報を意識すると、記憶に定着しやすくなるという事です。

 

音読した文章を忘れる頃に、2セット目、3セット目・・・というように日程を組むのが記憶を定着させるために効率的という事ですね。

 

おそらく5セット目には、上記で説明した手順5がほぼできるようになっている事でしょう。5セット目でまだ出来ないようであれば、もう1セット追加しましょう。5セット目で完了できなかったということは、音読回数が全体的に少なかったということですから、次の文章を始める時は、全体的に音読回数を増やすようにしましょう。

 

3回ずつしか音読していなかったのであれば、5回ずつにするというように、その都度、各手順で音読する回数を微調整していきましょう。

 

各手順での音読回数は、最低でも3回、最高でも10回と書きましたが、それでは、具体的にどのように音読回数を決めれば良いか?その目安を説明してみますね。

各手順での音読回数の調整の仕方

1セット目では、まだ文章に慣れていないため、音読回数を多く設定して文章に慣れる必要があるでしょう。

 

2セット目以降は、文章に慣れてきて、よりスムーズに音読ができるようになると思います。意味・構文を意識し、状況をイメージしながらスムーズに音読ができてきたら、音読回数を減らしていきましょう。

 

設定する音読回数の一例を以下に示します。

1セット目 2セット目 3セット目 4セット目 5セット目
手順2 5回 5回 3回 3回 1回
手順3 10回 8回 7回 5回 3回
手順4 3回 5回 5回 3回 3回
手順5 3回 3回 5回 5回 3回

手順2は、英語の発音・リズムなどを特に気をつけて聞きながら音読しますが、手順4と5でも音声は聞きますので、大体の発音を覚えたら回数を減らしても大丈夫です。

 

手順3は、音声を聞かないので自分なりのペースでできます。文章の意味、構造を常に意識しながらの音読なので、最初はゆっくりどころか、つっかえつっかえかもしれません。文章の意味、構造、イメージが意識できた状態で、教材音声と同じくらいの速度で音読ができるようになってきたら、回数を減らしましょう。

 

手順4は、テキストを見て音声を聞きながら音読です。音声と同じ速度で音読しながら、文章の意味、構造を理解するのは、最初はかなり大変な作業ですので、最初のうちは少なめの音読回数で、慣れてきたら回数を増やします。

 

手順5は、テキストを見ないで音声を聞いた瞬間に音読していくという作業になるので、最初はかなり難しいでしょう。よって、最初はお試し程度で、慣れたら音読回数を増やします。

 

簡単に説明させていただきましたが、この音読のゴールは、

手順5の「音声を聞いた瞬間に、その音声の意味、構文を理解し、状況をイメージしながら音読する」ができるようになる事

です。

 

大体4セット目にはこれができるように音読回数を設定して、5セット目は最終確認作業みたいな感じにするのが良いかなと思います。

最初は上記の一例をそのまま使用して始めるのでも構いません。おそらく、ご自身の英語力によって、音読回数がだいぶ変わると思いますので。まずはこの音読方法を進めながら、ご自身に最適な回数を微調整していくのが良いと思います。

 

それでは、手順1から詳細を説明していきますね。

手順1:音読する文章の理解

最初に英文解釈を行います。分からない英単語の意味を調べ、どういう英文法を使って日本語に変換するのかを調べます。調べた英単語や文法を身体(脳内の英語回路)に刷り込むためには必ず必要な作業です。

 

1セット目では、もちろんかなりの時間を費やす必要があるでしょう。しかし、2セット目以降は、復習になるだけなので、あまり時間はかからないでしょう。

 

英単語は、電子辞書を持っていれば一番楽なんでしょうが、無料のオンライン辞書でも十分だと思います。無料オンライン辞書はweblioがおすすめです。発音の確認(重要です!)も簡単にできますし、例文なども多く、その単語の使われ方が理解しやすいです。
⇒Weblioはコチラ

 

なお、電子辞書が気になる方は、カシオ「エクスワード」か、

もしくは、SHARPの「Brain」であれば間違いはないでしょう。

知らない英単語を調べた際は、必ず発音も一緒に覚えるようにしましょう。ネイティブの発音を聞いて、それを真似をして10回は口に出すようにします(上で説明したWeblioで発音を確認できます)。特にアクセント(強く発音する部分)は意識して覚えましょう。アクセントの位置を間違えると、だいぶ理解されにくくなります。

 

また、可能であれば、単語のスペリング(つづり)を覚えるために手を使って10回紙に書き出しましょう。ちなみに私は、通勤電車の中での作業が多かったので、書いて覚えていません。英単語のスペリングを意識しながらエアライティング(書いたふり)をしていました(笑)。それでも、大体覚えています。

 

英文法も、無料のWebサイトで十分です。例えば下記のWebサイトなどはとても参考になると思います。
⇒中学校英語学習サイト「中学英文法」

 

本当に英語の基礎力がなく、もっと簡単なところからやり直したいと思った方は、以下の本なんかが良いかもしれません。

また、音読トレーニングが順調に進み、中学英文法以上の知識が必要となった場合も、まずは無料のWebサイトを頼るでも大丈夫だと思います。私は下記サイトに大変お世話になりました。今でもたまに利用します。
⇒「英文法大全」

 

言語のルールというのは、理屈で覚えようとしても無理な時もあります。日本語でも「てにをは」の使い方を理屈で説明するのはかなり難しいと思います。外国人に「~に」「~を」「~は」の使い方を説明しようと思ってもなかなかできず、「結局慣れるしかないのでは?」と思いませんか?

 

同じように英語でも「なんでこの文章でこういう意味になるんだろう?」と、どう考えても理解できない文章に出くわすことがたまにあります。こういう文章に出くわしてしまったら、深く考えず、文章と意味をセットで丸暗記してしまいましょう。

 

この場合、音読を続けていくと、文法的には良くわからないが、こういうものなんだと思うようになってきたりします。もしくは、単に英文法知識が足りなかっただけで、学習が進んでいくうちに理屈で理解できるようになるかもしれません。

 

大事なことは、ひとつのよくわからないことに時間をとられすぎない事です。英語学習では完璧主義は良くありません。音読トレーニングは、5セットくらい行うので、仮にわからないところがあっても、「次のセットでまた調べよう~」という風に、軽い感じで進めた方が絶対良いです。

 

英語力ゼロで、いきなり英文解釈をしようとすると、たとえ中1レベルの文章でも、つまづいてしまうかもしれません。コメント、もしくは、お問い合わせ欄からメールをいただければ、僕自身わかる範囲でお答えしますので、お気軽にご連絡くださいね。(ただし初心者レベル限定の質問でお願いします。)

 

それでは、手順2の説明にうつりますね。

手順2:テキストを見て音声を聞きながら音読(特に発音を意識)

正しい発音で音読を繰り返すことで、それを身体で覚え込む事ができます。そうなると、リスニングに関しても理解しやすくなります。それだけじゃなく、スピーキングに関しても、どんな単語を使ったかという事が相手に理解してもらいやすくなります。

 

きちんとした発音を学ばずに、日本語訛りの英語を話す人はたくさんいます。実は私の部署(研究開発)でもそういう人がかなり多いです。個人的に、理系のエンジニアだとそういう感じの人が多いと感じます。

 

とはいえ、日本語訛りでも、要点をおさえた発音をすれば特に問題はないと思います。

 

問題なのは、日本語特有の発音にひきずられて、英単語に音の強弱をつけなかったり、逆に変につけたり、文章全体のリズムがおかしかったりする事です。そうなると、そもそもどんな単語を発音したのか理解されにくくなります。

 

英語というのは、日本語よりも、音の強弱やリズムなどが大事な要素をしめています。逆に言えば、そういった大事な要素をおさえれば、多少の日本語訛りが入ったカタカナ英語であっても理解してもらえるのです。

 

でも、せっかくなので日本語訛りを抜け出してみませんか?音読教材ではネイティブスピーカーの音声が付いていますから、その発音を真似しましょう。

 

で、本題なのですが、この手順2では、テキストを見て、さらに音声を聞きながら音読とあります。英単語単位での発音は手順1で覚えますが、ここでは、文章全体の発音を覚えます。

発音の変化に注意しよう!

英単語単体の発音は理解しているのに、英単語が組み合わされた文章になると、途端に何を言っているかわからなくなることが結構あります。何故かというと、英単語の組み合わせによって発音が変化するからです。

例えばこの文章、

I don't even know that.

 

日本語訛りだと、

アイ ドント イーブン ノウ ザット

という感じでしょう。

 

ですが実際の発音は、

アイドンニーブンノウザッ

という感じになります。

 

イーブンという単語がニーブンに変化しちゃうんです。evenの前の単語がdon't ですが、'tがほとんど発音されずに、その前のdonとevenがくっついてドンニーブンになってしまうのです。

 

このように英語では、語尾がきちんと発音されなかったり、単語同士がつながって発音される事が多いです。(初心者用の音読教材だと、わかりやすく、きちんと発音されているかもしれませんが...)

 

これは、何回も聞いて音読して覚え込む事ができます。このような単語のつながりによる変化は法則性があるので、まとまった量の音読をこなしていくと、その法則が意識せずとも徐々に分かるようになってきます。

 

※フォニックス(綴りと発音の関係性)を学んでも良いかもしれませんが、大量に音読することで、ある程度の法則性は勝手に理解できるようになるので、僕個人的にはフォニックスはしなくても良いかなとは思っています。

 

また、文章全体のリズムや、イントネーションなども、状況によって変わることもあります。だからこそ、文章の意味をただ追うだけでなく、状況をイメージしながら発音を意識する事も重要なのです。

 

とはいえ、手順2では、発音を真似る事に集中しましょう。文章の意味やイメージを集中しながら音読するのは手順3以降で良いです。

 

では、どうやって、発音を真似ていけばよいでしょうか?

 

カラオケだと思って真似てみましょう!

英語の発音はカラオケ感覚で覚えよう!

カラオケのごとく、教材音声を真似るのが、発音を覚える近道です。

 

音声を聞きながらテキストを音読するのです。正確には、音声と音読を同じタイミングにします。ちなみに、音声と同じタイミングで音読する英語学習法を、オーバーラッピングといいます。音声の上から、音読の声をオーバーラップ(包み込む)させるからですね。

 

音声と自分の声を重ねることで、微妙な違いがわかります。その微妙な違いを感じ取り、自分の発音を微調整していくことで、発音を(教材の)音声に近づけていく事ができます。オーバーラッピングで、このように身体で発音を覚え込めるのです。

 

細かい息づかいも注意して聞いてみてください。発音はもちろんのこと、息を吸っているところ、音の強弱、リズム、とにかく全て真似てみましょう。あ、女性ナレーターの高い声まで、男性が真似しなくても良いですからね(笑)。

 

最初の1セット目では、文章全体の発音を覚えきれないかもしれません。特に毎回つまづく箇所があったらそこだけを集中して繰り返し音読すると良いでしょう。

 

音声の特定の場所を繰り返し再生する方法は以下の記事で説明しておりますので参考にしてみてくださいませ。


 

特定のつまづく箇所を攻略できて、教材音声に合わせて、音の強弱、リズムにも注意して、8割程度真似できていればokです。そうしたら次の手順3へ進みましょう。次の手順3では、音声を聞かないで音読しますので、ここで発音を覚えることは重要な作業です!

 

一度発音を覚えてしまえば、おそらく2セット目以降は、この手順2の音読回数をかなり減らせる事でしょう。

手順3:テキストを見ながら音読

手順3は、英語脳を作るための重要な準備フェースであり、このブログで一番重要な事を説明している部分かもしれません。一度目を通すだけでなく、何度か本記事の内容を確認しながら、音読トレーニングを進める事をおすすめいたします。

 

この手順では音声を聞かずに自分のペースで教材の文章を音読します。それでは、早速どのように進めていくべきかを説明していきます。

英語脳(英語回路)をつくるために意識すべきこと!

重要なので何回も言う事になってしまいますが、音読する際は、必ず以下の情報を意識しましょう!

・英単語の意味
・使われている英文法
・文章全体の意味・イメージ
・発音

これらを意識しないと効果が薄れます。

 

繰り返し意識した情報は、長期記憶に定着しやすくなります。『英単語・英文法・その文章のイメージ・発音』をセットで意識しながら音読を繰り返すと、これらの情報が紐づけられた形で長期記憶に定着します。

 

記憶が定着してしまえば、同じような文章であれば、即座に理解できるようになります。これが、いわゆる英語脳(英語回路)とよばれるものの正体です。

 

つまり、意識しないと、英語脳(英語回路)の形成が促進されません。これでは、せっかく頑張ったのに英語力が向上しないという残念な結果になってしまいます。ですので、音読の際に、上記を必ず意識しましょう。

 

とはいえですよ、1セット目でまだ文章に慣れていないうちから、上記で挙げた全てを意識するのはかなり難しいでしょう。

 

ですので、最初は意識する項目を絞って、しかもゆっくりと音読していきましょう。

 

例えば、

1.最初は日本語の意味のみに集中して音読。
2.それがスムーズに意識できるようになったら、次は意味と英文法を意識。
3.次は音読している文章の状況・ストーリーをイメージ
4.さらに教材音声を真似て発音できるようする。

 

というように順を追って進めるのが良いと思います。さらに最初のうちは、ゆっくりとした速度で構いませんが、徐々に速度を上げて行くようにしましょう!

 

さらにもう一点。最初は「読む」という事に集中しているはずです。意味だったり文法要素を意識しているから、そうなるのは当たり前の事です。

 

その「読む」という意識を「自分から話す」という意識に切り替えていきましょう。切り替えるタイミングは、文章をイメージできるようになった頃からが良いと思います。

 

具体的には、その文章の物語に入り込み、自分がその物語の登場人物になりきり、感情移入して音読するのです。もちろんその物語の状況をイメージしながらです。

 

何故かというと、

・自分が主体的に取り組んだもの
・意味のある物語
・強い感情

というものは記憶に強く残りやすいからです。その記憶は、音読した英語の文章、文法、発音ももちろん含みますから、とても効果的なのです。

 

色々とお話しましたが、音読する際に、一度にこんなにもたくさんの事を意識しなくてはいけないなんて大変ですよね。でもやってみればなんとかなるものです。最初は少しばかり大変かもしれませんが、すぐに慣れると思いますし、何より効果は抜群です!

 

それに、1セット目で、上記で説明した全ての事を意識しなくても大丈夫です。次のセットで意識できるようになればいいや〜。という気軽な気持ちで続けましょう。

 

最終的には4セット目で全てを意識できて、教材音声の速度で音読できれば良いです。

『使われている英文法を意識』するとはどういう事?

音読する際は、『英単語の意味』『使われている英文法』『文章全体の意味・イメージ』『発音』を意識しましょう!と説明させていただきました。

 

この中で、『英単語の意味、文章の意味・イメージ、発音』を意識するというのは想像がつくと思いますが、文法を意識』ってどういう事なのか? 理解しにくいかもしれませんので、少しこの点に触れておきます。

例えば、

Did Ken walk on that street?

という文章があったとしましょう。

ケンはその道を歩きましたか?

という感じの意味ですね。

 

ここで英語初心者が気をつけるべき文法要素としては、疑問文である事と過去形である事です。

そうなると、英語初心者がこの文章を見た瞬間に、頭の中では、

・Didが文頭にあるから疑問文だな
・Didだから過去形だな
・walkって書いてあるけど、過去形の文だから「歩く」ではなく「歩いた」だな
・あ、疑問文だから「歩いたの?」になるんだな。

みたいな考えを、いちいち意識的に行っていることでしょう。そうしないと意味がとれないからです。

 

意識的に行うといっても脳内の処理時間はごく短時間だと思います。しかし、そのごく短時間の作業を、何か文法要素があるたびに行っていくと、かなりの時間ロスになってしまいます。これでは、相手の言っていることを瞬間的に理解することは出来ず、英会話は成り立ちません。英語の初心者だから当たり前の話ですけどね。

 

さて、英語初心者がこのように普通に意識していることを、何故私がわざわざ「意識するように!」と言っている理由は、英文の意味だけを意識しないようにするためです。

 

同じ文章を何回か音読すると、意味を覚えてしまうことでしょう。そうなると、英文を見たときに文法を意識せずに(覚えた記憶から)意味を捉えてしまいがちになります。それを避けるために、「文法を意識するように!」という作業をあえて組み込んでいます。相手の言っていることを瞬間的に理解できるようになるためにもこの作業が必要になるのです。

 

このような意識の仕方を繰り返していると、いつしか疑問文と過去形の捉え方に関するルールが長期記憶として定着します。つまり英語脳(英語回路)の一部として「疑問文」「過去形」回路が形成され始めるのです。

 

おそらく大体4セット目にはこのような状態になるのではないかと思います。このような「疑問文」「過去形」回路が形成されると、具体的な感覚としては、文頭に「Did」を見た瞬間に「過去形の疑問文だから、歩いたの?になるんだな」と捉えられるようになります。

 

さらに慣れてくると、「過去形の疑問文だから」みたいな意識すらしなくても意味が捉えられるようになります。つまり、相手の言っていることが瞬間的に理解できるようになります。

 

この例は簡単な文法なので、あえて意識しなくてもわかるかもしれません。ですので、文章を読んだ瞬間(ほぼ無意識的に)にどういう文法が使われているか分かれば、あえて意識する必要はありません。

 

ただ「簡単な文法だから意識しなくてもいいや」という短絡的な考え方はよろしくありません。どんな簡単な文法要素でも、意識する必要があるかどうかを最初に判断した方が良いです。自信を持って大丈夫だと判断したものを意識しないようにしましょう。

 

何故かと言うと、基礎だからこそ、簡単だからこそ、見落としがちになるからです。

 

例えば、基礎的な文法要素として、過去形と現在形があります。実は英会話中級レベルの方と話していても、過去と現在をたまに間違える人が多いと感じます。簡単な文法だからこそ、あまりその点を意識しないで上達してきたのでしょう。基礎をおろそかにしてきたためにミスをする典型的な例かもしれませんね。

英語の語順で理解して行きましょう!

音読している文章の意味は、読んだ順番に意識して理解していきましょう。

例えば

I go to Shinjuku station

というとても簡単な文章ですが、それぞれの単語の意味は、

I : 私は

go : 行く
to : ~へ
Shinjuku station : 新宿駅

となります。

 

で、音読しながら「私は、行く、~へ、新宿駅」という風に読んだ順番に意識していきます。最初はとっても違和感がありますが、これでも理解はできますし、徐々に慣れてくるものです。

 

日本語の語順だと「私は新宿駅に行く」となり、「新宿駅」は前の方に位置していますが、英語では「Shinjuku station(新宿駅)」が一番最後にあります。

 

このように日本語と英語では、単語の並び順が全然違います。だからといって、英文を最後まで読んでから日本語に訳して理解していたら、いくら時間があっても足りません。そうなると、英会話を成立させるのは難しいでしょう。

 

ですので、学習の初期段階から、英語を英語の語順で理解していくのはとても大事なことです。

 

最初は、「I go to Shinjuku station」「私は、行く、~へ、新宿駅」と理解していたものが、慣れてくると「私は行く、新宿駅へ」という風に理解できるようになります(というか、そういう風に理解するよう意識する)。さらに慣れると、これくらいの文章なら一発で「私は新宿駅へ行く」と理解できるようになるでしょう。

手順3のまとめ

手順3で言いたいことは、

・音読する際は、『英単語の意味』『使われている英文法』『文章全体の意味・イメージ』『発音』を意識しましょう!
・物語の登場人物になりきって感情移入して音読しましょう!

これに尽きます。

 

ただ、1セット目でこれら全てを意識できるようにするのは難しいと思います。意識できるものを、少しずつ増やしていって、2セット目、3セット目で、全部を意識できるようにすれば良いので、気軽にいきましょう!!

 

気軽といっても、とても重要な手順ですので、しっかりと実践していきましょう。

 

重要であるからこそ、この手順の回数はあまり減らせないかなと思います。音読回数を減らす基準としては、上記全てを意識しながら、教材音声と同じくらいの速度で音読ができるようになってきたら、回数を減らしてOKです。

さて、それでは、次の手順4の説明にいきましょう。

手順4:テキストを見て音声を聞きながら音読

手順2で「教材音声と同じタイミングで音読する英語学習法をオーバーラッピングといいます」と説明しました。そうです、手順2でやっていた事はオーバーラッピングでした。そして、この手順4ですることもオーバーラッピングなのです。

 

手順2では、特に発音に注意してオーバーラッピングをしていました。手順4では、発音だけでなく、以下の全てを意識するようにします。

・英単語の意味
・使われている英文法
・文章全体の意味(ストーリー)・イメージ
・物語の登場人物になりきり感情移入して音読

これらを意識・理解しながら音読することは超重要です!

 

これ以外にも気をつけるところはありますが、それは全て手順3と同じです。ですので、細かい注意点、気をつけるべきことの再確認は、手順3の章をご参照ください。

 

手順3と手順4の違いは、単に、教材音声を聞かないで音読するか、聞いて音読するかの違いだけです。しかし、この違いは結構大きいです。

 

手順3では、音声を聞かないので自分のペースで音読が出来ました。しかし、手順4はテキストを見て、教材音声に自分の声をかぶせる形の音読となります。つまり、音声の速度に合わせて音読する必要があります。

 

音読の速度を音声に合わせると、手順3より速いペースで音読する事になるでしょう。そうなると、上記の超重要項目の意識・理解が追いつかないかもしれません。

 

ですので、ここでひとつ確認が必要です。手順4の1回目の音読で、文章の内容を理解しながら音読できているかを確認しましょう。

 

1度音読してみた結果、音声の速度についていけず、上記の超重要項目を全然意識できないようでしたら、手順3の音読回数が不足しているという事だと思います。(ここでの「音声についていけない」の意味は、音声の速度に合わせて発音できていても、文章の意味や文法要素の理解が追いつかないという意味です)

 

ただ、1セット目でしたら仕方ないです。だって、まだ合計でも10〜20回しか音読しておらず、文章に慣れていないでしょうから。この場合は、何かひとつでも上記の重要項目を意識しながら音読できるように頑張ってみましょう。音読回数も少なくて良いです。ここで焦って頑張らなくても、次の日に2セット目の音読をしますので、そこで改善していけば良いのです。

 

2セット目以降でしたら、以下の考え方で進めてみましょう。

 

【文章全体を通して音声速度に理解が追いつかない場合】
まだ速いスピードについていけないという事です。この場合、手順3を少しずつスピードを上げて慣れていくしかないでしょう。手順3を再度繰り返し、音声と同じくらいの速度で音読しても理解度が落ちない状態になったら、手順4を再挑戦しましょう。

ただし、ここで手順3を10回繰り返してもまだダメなようなら、あきらめて次のセットで出来るようにしましょう。ちなみに、4セット目でもダメなようであれば、文章が難しすぎるのか、音読の進め方に何か問題があるのかを疑った方が良いでしょう。

 

【文章全体を通してダメなわけじゃないけど、ところどころつまづいてしまう場合】
何箇所か音声の速度に理解が追いつかないところがあるという事です。

この場合、つまづく部分だけを、音声を聞きながら繰り返し音読しましょう。音声は特定部分だけを繰り返す機能(ABリピート機能)があれば、それを利用して、そういう機能がなければ、音声なしでも構いません。

 

音声の特定の場所をリピートする方法は以下の記事で説明しておりますので参考にしてみてくださいませ。


 

音声と同じくらいの速度で音読しても、理解度が落ちない状態になったら、手順4を再開しましょう。

 

この手順でのゴールは、教材音声にかぶせる形で音読すること。その際に、冒頭で記載した、超重要項目がきちんと意識出来ていることです。おそらく、1セット目では難しいと思いますので、最初は少なめの音読回数にします。慣れてきたら音読回数を増やしていって、スムーズさを増していきましょう!

 

それでは、手順5の説明にうつりますね。

手順5:テキストを見ないで音声を聞きながら音読

この手順は、手順1~5の「1セットのまとまり」の締めくくりとなります。

 

テキストを見ないで、音声教材を聞きながら音読を行うトレーニングです。ちなみに、このようなトレーニングは、一般的にはシャドウイングと呼ばれるものです。シャドウイングは、プロの通訳などのトレーニングとしても利用されている、難易度の高いものです。

 

しかし、文章も音声も易しい初心者用音読教材を使い、さらに、何回も音読を繰り返した後のシャドウイングであれば、難易度もグンと下がりますので、是非挑戦しましょう!

 

それでは、早速、今回の手順、シャドウイングの具体的方法について説明いたします。まずは、手順3,4と、今回の手順5の違いを簡単にまとめてみますね。

【手順3】音声なしの普通の音読
音声を聞かないで、テキストを見て音読する。音読する速度は自分のペースで自由にできる。
【手順4】オーバーラッピング
音声を聞いてテキストを見て音読する。音声に自分の声をかぶせる形の音読となります。音読の速度は、音声の速度と全く同じにする必要があるため、教材音声の速度しだい。大抵は、手順3より速い速度になるでしょう。
【手順5】シャドウイング(今回の手順)
音声を聞いてテキストを見ないで音読する。音声を聞いた瞬間に、何が話されたのかを即座に理解して、話された言葉を音読する。

このように、手順3,4では、テキストを頼りに音読していれば良かったものが、手順5では、音声のみを頼りにして音読をしなければなりません。音声を聞いて、話された言葉を把握してから発声するので、音声から少し遅れて音読することになります。まるで影(シャドウ)のように音声についていくことから、シャドウイングと呼ばれます。

 

手順1~4までの全てのトレーニングをしっかりこなし、持っている英語スキルをフル動員させないと、シャドウイングを完成させることはできません。ですので、この手順5が、英語音読の集大成と言えるでしょう。

シャドウイングを行う際の注意点について

シャドウイングは、テキストを見ていませんので、音声を聞いて音読している間も、常に音声を聞いて何を話しているかを把握しなければなりません。そのため、一度理解につまづいたりすると、一気に音声においていかれ、ついていくことが出来なくなります。

 

かなりの集中力を要しますので、それなりに覚悟して挑む必要があるかもしませんね。

 

また、何回も何回も音読していると、文章を覚えてしまう事が多いかもしれません。その場合、シャドウイングをする際に、音声を聞いて音読するのではなく、覚えた文章が勝手に口から出てくる事があるかもしれません。それでは、シャドウイングの効果がありませんので、音声に意識を集中して、きちんと聞き取った音声を、そのまま音読するようにしましょう。

 

※でも、実際のところ、暗記してしまうくらい何回も音読していたら、シャドウイングも普通にできるくらい音読トレーニングが完成しているのかもしれません。なお、意識して文章を暗記することはオススメしません。何回もこのブログで説明した、正しい音読を繰り返した結果、暗記してしまったという状況であれば問題ありません。

 

また、手順3,4で、飽きるくらい(^^;)何回も伝えていますが、音読する際は、下記を意識するようにします。意識の仕方、注意すべき事の詳細は、手順3の章、もしくは、手順4の章をご参照いただけたらと思います。

・発音
・英単語の意味
・使われている英文法
・文章全体の意味(ストーリー)・イメージ
・物語の登場人物になりきり感情移入して音読

ただ単に聞いた音声を音読できるだけでは効果が薄いので、上記全部を意識しましょう。シャドウイングだと、音読している瞬間も、音声を聞かなくてはいけないので、その最中に上記を意識するというのはかなり大変です。

音読トレーニングのゴールについて

シャドウイングは、1セット目では全然モノにできないと思います。ですので、1セット目では、この手順5はほどほどの回数で切り上げてよいでしょう。ただ、やるからには、しっかり挑戦して、何が原因で出来ないかを把握するように努めたりしてみましょう。これが、2セット目、3セット目になって、徐々にできるようになってくると嬉しいものです。

 

また、音声速度を調整できる音楽プレイヤーや、スマホアプリもありますので、音声速度を遅くして挑戦しみるのも一つの手です。音声速度を変えて音読する方法については以下の記事で説明していますので参考にしてみてください。

 

おそらく、シャドウイングがきちんと出来てくるのは2セット目以降でしょう。シャドウイングがどれくらい出来ているかによって、次のセットの手順3,4の音読回数を調整したりしていくのが良いと思います。そして、4セット目でシャドウイングが完成できることを目指して進めていきましょう。

 

この手順の最終ゴールが、この英語音読の最終ゴールにもなります。
さて、そのゴールですが、具体的に書きますと、

 

以下を全部意識しながら、

・発音
・英単語の意味
・使われている英文法
・文章全体の意味(ストーリー)・イメージ
・物語の登場人物になりきり感情移入して音読

教材音声をシャドウイング出来ることです。

 

細かいことを言うと、『英単語の意味』『使われている英文法』は、シャドウイングが完成する頃にはあまり意識しない状態かもしれません、その代わりに『文章全体の意味(ストーリー)・イメージ』『物語の登場人物になりきり感情移入して音読』を意識する比重が大きくなっていると思います。

 

ひとつの文章に対して、音読し始めの段階では、前者を意識する比重が高く、音読回数が増えてくるに従い、後者の比重が高くなるという感じだと思います。

 

音読回数を重ねることで、英単語の意味や、英文の構造などは意識しなくても、身体に染み込んで分かるようになるからだと思います。このように、多くの文章を音読して身体で覚え込むことが大事だと思います。

 

すでに述べましたが、4セット目にこのゴールを達成して、5セット目は、『念のための最終確認作業』『さらなる記憶の定着化のためのダメ押し音読』みたいな感じにできれば良いと思います。

まとめ

これで、全ての説明が終了しました。手順1~5までを5周するというのは少し大変かとは思いますが効果は絶大です。ツライ時、やる気が出ない時の考え方なども記事としていますので、よろしければ参考にしてみて下さいませ。


音読は本当に素晴らしい英語学習方法であり、一石二鳥どころか、一石五鳥くらいの効果があります。留学することなく、音読だけで英語脳が作られるのですから、とってもコスパの良い英語学習方法と自信を持って言えます!

この記事がきっかけに音読を始めていただけたらとても嬉しいです!

かなりの長文をお読みいただきありがとうございました。

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