学習を継続するために

英語・英会話を理解する仕組みをわかりやすく解説

2017/03/27


英会話ができるようになるまでの道のりは長く、学習の成果がすぐに感じられないのはごく普通のことです。

根気強く学習を続ければ誰でも話せるようになるものですが、成果が感じられないために
「本当にこの方法で英語が話せるようになるのか?」と疑心暗鬼に陥って挫折してしまう人も多いです。

私自身も、かつては「こんなに勉強しているのに思うように話せない!一体どうすれば良いんだ?!」と半ば発狂状態になったものです(笑)。

ひとつよくあるケースをお話しましょう。

ある人が、ひとつの英語学習法を続けていました。しかし、一向に上達が感じられないため、違う学習法に乗り換えてしまいました。

こんな事よくありますよね。

でも、上達が感じられなかったと思っていても、
本人の意識できないところでは上達が進んでおり、その苦労がもう少しで報われるところだったのかもしれません。

あと少し継続していれば、急激に上達が感じられるようになり、すぐにその苦労が報われていたのに!なんてこともあると思います。

何でそんなことがあるのか?については、学習時間と上達度の関係を別記事で説明しますので、それを参照していただけると良くわかります。
⇒英語学習における成長曲線とは?(すみません。現在執筆中のため。リンク先に飛べません)

これまで続けていた学習方法を変えるという事は、上達への道を一歩後退するという事です。つまり、上達への道を遠回りしてしまい、効率が悪くなってしまうという事です。(但し、学習法に問題が合ったり、自分に合わない学習法だったりした場合は、変えた方が良いかもしれません)

これと決めた正しい学習法を継続することが、一番効率の良い事だったりするわけです。だからこそ最初に決める学習法がとても重要です。

さて、何事も原理原則を知った上で、物事を始めたほうがスムーズに進められると思います。それは、今の進め方が、原理原則に照らし合わせて、妥当かどうかの判断ができるからです。そうなると、今の進め方で良いと信じることができると思います。

英語も同じです。英会話の原理原則、つまり、本記事で説明する「英語・英会話が理解できる仕組み」を理解することで、今進めている学習方法が英会話上達に効果的かどうか自分で判断出来るようになります。

今進めている学習法に自信を持つことができれば、その方法を続けるモチベーションを維持できて、挫折の確率が下がるでしょう。

それでは、英会話の原理原則、「人の頭の中でどのような考えが浮かび、どのような処理がなされているのか」を、わかりやすく説明してみようと思います。

と、その前に、説明の都合上、まずは日本語の理解の仕組みからお話しますね。

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日本語を理解する仕組み

言語が理解される仕組みをひも解いていくと、脳の働きまで説明する必要があります。

ただ私は脳科学の専門家ではありませんので、一般的に知れ渡っている情報をもとに、難しくならないようかなり簡略化してお話してみようと思います。

まず、生まれたての赤ちゃんは、そもそも日本語に限らずどの言語も理解できません。それが、周りの人からの大量の語りかけがあって、言葉が脳に記憶されていきます。

それと同時に、モノを見せたり、身振り手振りをしたりして、言葉とモノ、言葉とイメージといったものが結びついて脳に蓄積されていきます。

また、日本人であれば、普段会話するときに日本語の文法を意識していないと思います。

ですが、赤ちゃんの頃から、これも大量の語りかけによって、複数の単語をどういう順番で並べれば意味が通じるかといったことを覚えていきます。

語順以外には、単語自体にも「名詞」「動詞」「形容詞」といった文法要素もありますが、無意識のうちに、そういったルールを覚え脳内に記憶されていくのでしょう。

こういった、日本語を構成する、単語、文法、発音、イメージといったモノのつながりが形成されている状態を、日本語回路ができているとここでは表現しましょう。

下図をご覧ください。この図の上部(脳の記憶領域)が日本語回路となります。

これは日本語を話す際の重要なポイントを説明したイメージ図となります。かなり大雑把ですし、脳内では実際にこのような構成ではないかもしれませんので、その点はご了承ください。

日本語に触れて育った人は、このような日本語回路を全員持っているはずです。

回路のつながりの太さについて

単語やイメージ等の各々のつながりは線で表現されていますが、

これらのつながりは、何度も何度も同じ単語、規則的な順番で話される言葉を聞いているうちに、どんどん強く太くなります。
上図の中では、線の太さでこれを表現しています。

このつながりの太さは道路に例えることができると思います。

人間の社会では、交通量が多いところは、車線を増やして道路を太くする工事を行いますが、交通量が少ない部分に関しては細い道路のままです。脳内のつながりも同じようにできており、良く使われる情報のつながりは太くなっていくということです。

つながりが太いというのは、いわば高速道路で、すいすいと行ったり来たりできるという事。つまり、強く太くなった結びつき(高速道路)では、高速で(ほぼ瞬間的に)結びついた情報のやりとりができるようになるということ。言い換えると、特に意識せずに言葉が出たり、文法的なルールを意識せずに文章を作り出せるという事です。

つまり、人間の脳は、よく使う言葉や文章などを瞬間的に理解できるような性質・仕組みになっているということです。

これは、言葉だけじゃなくスポーツや、楽器の演奏等なんでも同じでしょう。何度も繰り返し覚え練習することで、瞬間的に無意識のうちに身体が反応するという境地に達することができます。

言語学習で言えば、大人になってから覚える単語などは、何度も何度も繰り返し意識的に覚えようとすれば良いです。そうするだけで、つながりが強くなっていきますので、瞬間的に意味を理解できるようになります。

「私って忘れっぽいから」なんて言う人も多いと思いますが、人間は基本的に忘れっぽいんです。一回聞いただけで覚えてしまう人なんて、ごく一部の天才を除いてほとんどいないでしょう。

つまり、一度勉強してそれっきりだと、その勉強した内容を覚えられないのはある意味あたりまえです。だからこそ、繰り返し同じことを勉強する必要があるのです。

ただ、繰り返し覚える方法もコツがありますので、そのコツは別記事で紹介いたします。

逆に、つながりが細く弱かったらどうなるのか?

たまにしか使わない単語や、ごくたまにしか会わない人の情報などについては、つながりが太くなりづらいです。

これも道路で例えてみると、つながりが細いとは、住宅地に張り巡らされた一般道路のようなもので、頻繁に渋滞したり、そもそも制限速度が低くて徐行しなければいけない。という感じですね。

つまり、弱く細い結びつき(一般道路)では、情報のやり取りが上手くできなかったり、かなり時間がかかったりするということ。言い換えると、そもそも、言葉がうかばなかったり、文章を作るのにかなり時間を費やしてしまうという事です。

つながりが弱い時の事例をひとつあげてみます。

久しぶりに会った人の顔は覚えていても、名前は思い出せないという事はよくあると思います。つながりが弱いと、このように記憶を断片的にしか思い出せなくなることが多いです。

そんな時は、顔と結びついた別の情報(その人の友達や趣味など)をひっぱり出したりして、その別の情報から名前の手がかりを探します。

例えば、会ったことがあるのに名前が思い出せない人(B君)と再開したとします。
そして「あ、この人は数年前、A君と一緒に飲んだ人だ」と思い出し、その飲み会の光景が思い出され、A君がその人の名前を呼んだ瞬間を思い出し、ここでやっと「名前はB君だ」と思い出します。

このように、単語(名前)とイメージ(顔)のつながりが弱いと、話したい文章を考えたり、聞いた言葉の意味を理解する際に、非常に時間がかかることとなります。

脳は、このような単語とイメージの結びつきに限らず、膨大な数の記憶が結びついてできています。

この脳の作りから言えることは、ひとつの記憶に対して多くのつながりを持つと忘れにくくなるという事です。

つまり、単語を記憶するときも、目で見て、手を使って書いて、音で聞いて、声に出すなどして、いろんな感覚、感情も一緒に覚えることで忘れにくくなるということです。

それでは、会話をしている時は一体どのような思考がなされているのでしょうか?

話を聞く時の仕組みは?

まずは、誰かの話を聞く時のプロセスです。

人生で聞いた全ての言葉をいちいち記憶していたら大変そうですよね。脳がパンクしてしまうかもしれません。そうならないよう、誰かの話を聞いた時は、その言葉は、まずは脳の一時記憶領域に記憶されます。

ここに記憶されたものは、文字通り一時的にしか記憶できないので、すぐ忘れてしまいます。忘れないうちに、脳の記憶領域内にある、日本語回路を使って言葉の意味を解釈するようになっています。

基本的に、日本人であれば、強固で太いつながりで形成された日本語回路を持っていますので、この回路に送られてきた日本語の言葉を瞬間的に理解できます。

但し、つながりが弱い不慣れな単語などが出てきた場合は理解に時間がかかるかもしれません。

理解に時間がかかりすぎると、一時記憶領域に記憶された言葉を忘れてしまいます。そうなると、今聞いた話をもう一度お願いすることになってしまうでしょう。おそらくこのような事は誰でも経験していることと思います。

これが不慣れな英語となると、もっとひどい事になるのは容易に想像できますよね。

こちらから話しかける時の仕組みは?

次は、文章を作ってこちらから話をする時のプロセスです。

話したいイメージがまず先にあって、それを文法規則に則った形で単語と単語をつなぎあわせ文章を作ります。もちろん、強固な日本語回路のおかげで、あまり意識することなく言いたい文章が浮かぶことになります。

但し、不慣れな言葉を使おうとした場合には、少し意識的に考える必要があり、言いたい文章の作成に少し時間がかかってしまいます。

言いたい文章は一時記憶領域に保存されてから発話されることになります。

一時記憶領域に保存された文章を発話するので、あまりにも長い文章の最後の方になると、何を言いたいか忘れてしまうこともあるかもしれませんね。

そうなると、長い文章を話そうとするのではなく、一時記憶領域に保存できる程度の短い文章に細切れに分けて話した方が良いでしょう。

さて、簡易的にですが、日本語を話す仕組みを説明させていただきました。

日本語環境で育った日本人であれば、ほとんど意識していないものの、日本語回路というものが存在して、それを利用して日本語の会話がなされているということです。

という事は、英語回路が脳内に出来ていれば、英会話ができるようになるということです。

それでは、今度は、英語を理解できる仕組みについて説明してみたいと思います。

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英語を理解する仕組み

日本語を理解する時は日本語回路のみを利用する。
英語を理解する時は英語回路のみを利用する。

という風にできれば、とても楽なんでしょうし、バイリンガルの方はそのような回路の使い方をしているかもしれません。

ですが、そんなに簡単な話ではありません。

すでに日本語回路が出来上がっている一般的な日本人は、日本語を使って英語を学習するのが一番効率的です。英語回路がないのに、英語を英語で勉強するのは現実的ではありません。

つまり、英語回路を形成するために、日本語回路を使って英単語を覚え、英文法等を学習する必要があります。そうなると、英語回路と日本語回路は必然的に強く結びついてしまい、結局、英語を理解するために英語と日本語、両方の回路を使わなくてはいけません。

そして、日本語回路を利用しないと英語を理解できない、日本語英語回路が出来上がってしまうのです。

それに対し、日本語を理解する時は、日本語回路のみ使用します。英語回路とつながってはいるものの、使わなくても言っている意味が理解できるので、英語回路は使う必要がないのです。

英語を理解するために日本語回路を利用すると、様々な弊害がでてきます。日本語回路という余計な迂回路を通らなくてはいけないので、時間も余計にかかるし、本当の意味も歪められてしまう可能性があるという事です。

つまり、理解のスピードが遅くなる事、理解の質が下がってしまうという事です。

しかしながら、それは仕方のない事だと思います。特に英語学習の初期段階においては、そうするしかない。というか、それが一番効率的としか言いようがありません。

一旦日本語英語回路を作ってしまってから理解のスピードも質も上げるためには、極力、日本語回路を使わずに、英語回路だけで処理できるようにしてしまえば良いのです。

さて、それでは英語初心者が、英語回路を形成していき、どのように英語が理解できるようになっていくかを、説明していきたいと思います。

英語初心者が英語を理解する仕組み

基本的な英単語、文法しか知らない英語初心者は、日本語回路に加えて、下図のような貧弱な英語回路があるのみです。

この図のように、英語初心者は、そもそも脳に記憶されている英単語や文法知識が少なすぎます。

英単語の意味も日本語で覚えてるのみで、英文法も日本語のチカラを借りて覚えています。また、それぞれの結びつきも非常に弱く細いため、瞬間的に意味を理解する事も難しいです。(もちろん、I have a penとか簡単な文章なら可能とは思いますが)

このレベルだと、かなり簡単な英単語と英文法を用いてゆっくり話してもらわない限り、そもそも英語を聞いても理解できないでしょう。

それでは、次に少しばかり英語学習が進むとどうなるでしょうか?

英語初中級者が英語を理解する仕組み

英語学習を続けてきて、カタコトでなんとか英語を話せるようになってきた英語初中級者は下図のような英語回路でしょうか。

このレベルでは、英会話に最低限必要な英単語、英文法知識は脳に記憶されています。

英単語も、日本語訳とつながっているだけでなく、イメージ(意味)と直接つながっているものもあります。

とはいえ、大部分の英単語は日本語につながっているのみですし、そもそも英語回路全体のつながりもまだまだか弱く細いです。

また、結びつきが弱いだけではありません。英語を一度日本語に変換してから、イメージ(意味)を得るというように遠回りをしているため、理解に時間がかかってしまいます。

ということは、日本語を経由せずに、英語から直接イメージが浮かぶようになれば、理解の時間が短縮されることでしょう。

それでは、さらに学習が進むとどうなるでしょうか?

英語中級者が英語を理解する仕組み

地道に努力を続け、伝えたいことはほぼ英語で話せるようになってきた英語中級者の英語回路は下図のようになっています。

初中級者時代に比べて、全体的な英語の知識は増え、何より結びつきが太くなってきています。また、英単語とイメージが直接結びついた組み合わせも多くなっています。つまり、だいぶ理解が早くなっているはずです。

とはいえ、日本語回路の太さに比べたらまだまだ細いので、さすがに日本語で話をするような速度で会話はできません。

それと、日本語と結びついていないイメージが新たに記憶されています。これはどういう事かというと、どう考えても、日本語に訳せない英語があるからです。

逆に、英語に訳せない日本語もたくさんあります。
文化の違いからくるものが多いと思います。

例えば日本語の「いただきます」に相当するものは英語にはありません。なので、いただきますのイメージは日本語の単語にしか結びつけられません。

それと同様に、英語にしか結び付けられないイメージもたくさんあります。

それが英語圏の文化に由来するものだったりすると、イメージを記憶するのが難しくなります。結局その文化も一緒に学んで記憶するという事もこの段階では増えてきたります。

さて、それでは、これ以降はどうなるのでしょうか?

英語中級以上の方が英語を理解する仕組み

英語中級者の英語回路から上達するにつれて変わっていくものといったら、強いて言えば、徐々に英単語が増えていって、各々の結びつきが強く太くなっていくという事くらいでしょうか。

英会話をする上での英文法知識は、この段階に達するまでにほぼ身につけているでしょうし、発音は意味が通じれば良いという考え方をすればさほど気にする問題でもないですし(私は気にしますが)。

つまり、英語の基礎力は「英語中級レベル」でほぼ完成しているので、それを上手く活用できるように伸ばしていくというのがこの段階と思います。

この段階の方で、英語回路が強く太くなっていれば、瞬間的に相手の言っていることを理解して、即座に返答できます。

まとめ

さて、これまで日本語回路、英語回路というものを使って説明をしてきましたが、最後に簡単にまとめてみますね。

人間の脳内には様々なモノが記憶されていて、各々が結びついて回路が形成されている。日本語に関する記憶の集まりが日本語回路、英語に関する記憶の集まりが英語回路となる。

英語初心者が英語回路を形成していくには、日本語回路で英単語の意味や英文法を理解していくのが一番効率的なので、ほぼみんなそうする。結果として、英文の理解には、日本語回路を経由する必要がある。

英語の理解が遅くなる原因は大きく分けて2つ。1つは、日本語回路を経由して英語を理解しているため。もう1つは、英語回路内の結びつきが弱く細いため。

理解の速度を向上させるには、日本語回路を極力使用しないようにする事と、英語回路内の結びつきを強く太くすること。

日本語回路を使わないようにするためには、英語回路とイメージ(意味)が直接結びつくようにする。

英語回路内の結びつきを強くするためには、同じ英単語・英文を何度も繰り返し使うこと。また、意識的に、声に出す、紙に書く、状況を強くイメージするなどして、より多くのつながりを作ることで忘れにくくなる。

この言語を理解する仕組み、脳の特徴・性質を、英語学習に活かすことで、より効率的に、短時間で効果を上げることができるでしょう。

それでは、次回の記事では、この仕組みをどのように英語学習に活かすかを説明したいと思います。
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